秋田県大仙市の田んぼでは田植えが終わり、稲が大きく成長している。
そんな青々とした田んぼの中を「バイク」で走る人たちがいる。
地域の人の中には「田んぼライダー」と呼ぶ人もいる。「バイク」は、草刈り機のエンジンを積んだ「乗用溝切機」と呼ばれるもので、それにまたがっているとまるでバイクに乗っているように見える。これは稲を生育させるための一つの工程で、田んぼの土に溝をつけている。
この工程を「溝切り」と呼ぶ。「田んぼライダー」は「溝切り」を行う農家さんであった。稲が生育した段階で一度水を抜き、田んぼを乾かす工程を「中干し」という。
大仙市の場合は田植えからおよそ70日後に行われている。
この「中干し」により地中にたまったガスが抜ける。
また、稲の根も水を求めてより張り出す。
これにより丈夫な稲を作ることができる。「溝切り」は「中干し」を行うために水はけが良くなるようにつけられるものである。
また、収穫時の排水の際にもこの溝によって排水される。
「この溝がないと地面がぬかるみ、コンバインが入れない」と取材した農家さんは教えてくれた。「地味でしょ?」と農家さんは話していたが、天候に左右される稲の育成を行うために創意工夫を凝らした方法を考え出す人の営みに感動を覚えた。