米沢上杉まつりで見る川中島の戦い!戦国史が目の前で動き出す【山形県米沢市】

3 min 10 views

ゴールデンウィーク、米沢で出会った戦国絵巻

ゴールデンウィーク真っただ中の5月3日、山形県米沢市で開催された「米沢上杉まつり」を訪れた。

山形に移住して約2年。地元の人たちから「上杉まつりだけは一度見た方がいい」と何度も勧められていた祭りだった。戦国好きとしても気になっていたが、ようやくその舞台を見ることができた。

今回観覧した「川中島合戦」は、米沢上杉まつりのクライマックスとして最終日に行われる最大の見どころだ。

戦国史に残る「川中島の戦い」とは

午前中には米沢駅周辺を上杉軍の武者行列が練り歩き、そのまま午後の決戦の地である松川河川敷へ向かう。

上杉軍と武田軍、両軍合わせて数百人の大軍勢。戦国史屈指の名勝負とされる1561年秋、第4次川中島合戦を再現する。

そもそも「川中島の戦い」とは、1553年から1564年までのおよそ12年間にわたり、上杉謙信と武田信玄が北信濃の支配権を巡って争った一連の合戦の総称である。長きにわたる戦いでありながら、決定的な勝敗はつかなかったことでも知られる。

米沢上杉まつりで再現されるのは、その中でも最も有名な第4次川中島合戦。軍師・山本勘助の戦死、車懸りの陣(くるまがかりのじん)、啄木鳥戦法(きつつきせんぽう)、そして上杉謙信と武田信玄による伝説的な一騎打ちなど、戦国史でも人気の高い場面が次々と登場する。

それを、映像でも教科書でもなく、自分の目の前で見ることができる。これが米沢上杉まつり最大の魅力だろう。

武田陣営の出陣前の様子

地域の人々が支える戦国の舞台

主人公となる上杉謙信役はオーディションで選ばれ、武田信玄役は著名人やゲストが務めることが多い。そのほかの兵士役は公募参加者や地元自治体の職員、高校の弓道部員など、地域の人々が中心となって祭りを支えている。

開戦前から始まる熱気 松川河川敷へ

会場となる松川河川敷へ到着すると、すでに国内外から訪れた観客で土手は埋め尽くされていた。観客席は河川敷を見下ろすように配置され、戦場全体を見渡すことができる。

筆者は開始1時間前に到着したが、すでにリハーサルが始まっていた。上杉謙信側には一部有料観覧席が設けられ、武田信玄側は無料観覧エリアとなる。今回は武田軍側、しかも信玄正面という絶好の位置で見ることができた。

リハーサルでは、一騎打ちの動きや軍勢の配置、戦術の流れまで細かく確認されていた。本番前にもかかわらず、その迫力に観客席からは歓声が上がる。気持ちはすでに戦国時代へ引き込まれていた。

合戦のリハーサルの様子

午後二時、川中島合戦開幕

午後2時。場内アナウンスとともに川中島合戦が始まる。

ナレーターが当時の時代背景や合戦までの流れ、上杉軍と武田軍それぞれの戦略を丁寧に解説してくれるため、歴史に詳しくなくても十分楽しめる構成になっている。

観客が息をのむ「三太刀七太刀」

数ある見どころの中でも、最も印象的だったのは、やはり「三太刀七太刀(みたちななたち)」だろう。

上杉謙信が単騎で武田信玄本陣へ突入し、馬上から太刀を振るう。対する信玄は軍配で受け止める。戦国史の中でも屈指の名場面が、目の前で再現される。

河川敷全体が静まり返り、観客が息をのむ。

火矢と火縄銃が戦場を彩る

続いて両軍の兵士たちが中央で激突する。刀と槍が交差し、戦場は一気に熱を帯びる。

その最中、武田軍から弓兵が前へ出る。赤や青の煙をまとった火矢が放たれ、空へ軌跡を描く。演じていたのは地元高校弓道部の生徒たち。見事な射形と放たれる矢の美しさに思わず見入ってしまった。

火矢の実演

さらに火縄銃隊が前進する。

立射、伏射、連続射撃。熟練した砲術が次々と披露される。火縄銃が実際に火を吹き、轟音が河川敷に響き渡る瞬間、遠い戦国時代が一気に現実味を帯びて迫ってきた。

戦いの終幕、そして会場がひとつになる瞬間

最後は両軍入り乱れての総力戦となる。

斬り合い、槍による突撃が続き、兵士たちは次々と倒れていく。やがて戦場には、上杉謙信、武田信玄、そしてわずかな兵だけが立ち、ほとんどの兵士が地面に横たわる壮観な景色が広がった。

戦いの終幕

謙信役から挨拶が行われ、その後、戦場に倒れた兵たちを呼び戻す掛け声が観客を巻き込んで始まる。会場全体が声を合わせると、横たわっていた兵士たちが一斉に立ち上がった。

その瞬間、会場は大きな拍手に包まれ、フィナーレを迎えた。
米沢上杉まつりは、戦国時代の合戦を“見る”だけではなく、“体感する”ことができる。

この川中島合戦は、そんな貴重な時間だった。

歴史好きはもちろん、戦国時代をあまり知らない人でも十分楽しめる。来年のゴールデンウィーク、もし山形を訪れるなら、ぜひ米沢へ足を運んでほしい。戦国史の一場面が、きっと目の前で動き出す。

――その瞬間を、ぜひ現地で体感してほしい。

※写真はすべて2026年5月3日筆者撮影

基本情報

米沢上杉まつり
開催時期:毎年4月下旬~5月3日頃(ゴールデンウィーク期間)

主な会場:山形県米沢市内一帯
・伝国の杜周辺
・松川河川敷(川中島合戦会場)
・米沢駅周辺(武者行列ルート)

アクセス

  • JR山形新幹線・奥羽本線「米沢駅」下車
  • 米沢駅から松川河川敷まで徒歩約20~30分
  • 米沢駅から市内循環バス利用可

米沢上杉まつりHP
https://uesugi.yonezawa-matsuri.jp/h26_matsuri/

田口雄太

田口雄太

神奈川県出身。現在は山形県で探究教室の運営に携わっています。アフリカ・ルワンダでの2年間の生活経験もあり、旅と写真を通して、その土地ならではの感動を伝える記事づくりを目指していきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です