「鮨屋におでん⁉」美味すぎる鮨とおでんが地元で話題 老舗鮨屋の父子鷹【北海道網走市】

3 min 1,448 views

老舗鮨屋『江戸前 中鮨』は、昔馴染みの地元民や観光客を中心に観光シーズンに入ると予約なしでは入店することが難しい人気店です。

しかし2年ほど前から、鮨屋には珍しい『おでん』をメニューに加えたところ、密かなブームを呼び、新たな地元のお客が増えているそうです。

そんな筆者も噂のメニュー『おでん』に驚き伺ったひとりであります。

いざ中鮨へ伺ってみますと、気さくで温かい大将(3代目)とその息子さん(4代目)が作り出す美味しい料理と心地よい時間にすっかり魅了されました。

そんな父子鷹に色々と聞いてみました。

 極上のおでんと、少し大きめの握り寿司が生む最高の満足感

行きつけのBARのオーナーから、変わったメニューがある鮨屋の噂を聞きつけ筆者が向かった先は、北海道網走市の繁華街にお店を構える創業65年の老舗鮨屋『江戸前 中鮨(なかずし)』、緊張しつつ暖簾をくぐり案内されたカウンター席に座ると、まず目に飛び込んできたのは棚に張られた『おでん有ります』の文字。多少混乱しつつメニューを見てみると、いわゆる定番のおでん種の他にブロッコリーや蟹がんも等、その種類の多さに驚愕しました。

まず飲み物を注文して気持ちを落ち着かせ、じっくりと注文の組み立てを練らなければと思いつつ、メニューの飲み物欄を見てみると『ガリ酎ハイ』に目が留まる。

これはもうメニューで分かります、完全に筆者が好むお店です。

今回の取材にあたり、気軽に応じてくれたのは3代目大将の中野邦夫さんと、その息子である4代目大将中野智貴さん。

このハツレポでは以下、邦夫さんを大将、智貴さんを4代目又は息子と呼んでいきます。

ガリが乗ったガリ酎ハイ

注文に迷う私に大将と女将さんが道筋をつけて下さり、ガリ酎ハイとおでんを注文してみました。何とも惹きつけられる鮨屋の美味しいガリが入った酎ハイ、爽やかな酸味と苦味に甘味と旨味が加わり癖になる味で、美味しいのはもちろんのこと食欲が増します。

おでんは、澄んだ透明な出汁にまず驚き、一口飲んでみると極上の味にさらに驚き、出汁が染み込んだ大根やブロッコリーの美味しさに思わず笑みがこぼれてしまいます。

「こんな美味しいおでんはいつ以来だろう」と考えていたら、とても気さくな大将は、私の笑みから察したように「おでんは息子が作ったんだよ、最近はおでん目当てのお客様が増えてね」と何とも言えない笑顔で嬉しそうに話してくれました。

大人気!極上のおでん

続いて握り寿司を注文してみました。

寿司下駄にテンポよく盛られていく握りは、シャリもネタも少し大きめで美しさと共に抜群の存在感を感じます。

大きめながらもシャリが口の中で程よくばらけていく大将の力加減が絶妙。

そんな美味しいお寿司をお腹いっぱい食べたい時ってありませんか?大将との楽しい会話とともに筆者が食べ終えた時にまず思ったのは「あ~美味かった!たまらんこの満足感」です。

満足感抜群の握り寿司

「大将がいるから来るんだ」「おでんが美味しいと聞いて来たんだよ」

大将の中野邦夫さんにモットーをお聞きしました。

「継続は力なり」何事も続けることが大事と人懐こい笑顔で答えてくれました。

そんな大将は職人歴55年、歴史に裏付けされる言葉は重く説得力抜群です。

「大将がいるから来るんだ」というお客様の言葉が最高に嬉しい。こうして店を続けていると息子が中鮨を継ぐために帰ってきてくれた。ほんと感謝ですよ。

「すべては人、継続することによってできる人脈が大事なんです」と語ってくれました。

続いて息子さんの中野智貴さんにモットーを尋ねてみると、「温故知新」とこちらも笑顔で答えてくれました。

和食や焼き鳥屋などいくつかのお店で修行を重ね、5年ほど前に網走に戻り大将のもとで修行を開始、その過程で中鮨の新たな看板メニューになりつつある『おでん』を作り上げたそうですが、まさに温故知新というモットーにぴったりの4代目。

最近はおでんの注文が増え、新たなお客様から「おでんが美味しいと聞いて来たんだよ」という声が何よりも嬉しく励みになると語ってくれました。

3代目の大将(左)と4代目(右)

互いに認め合う父子鷹

筆者が中鮨へ伺ったのは2度目で、まだまだ常連客には程遠い新参者である。しかし気さくな大将のおかげで緊張もそこそこに料理も会話も楽しむ事ができた。

その気さくさは4代目の息子さんにも受け継がれ、店内を駆け回る女将さんと共に中鮨全体の良い雰囲気に繋がっているのだろう。

大将と4代目の凄いところは、互いに腕を認め合いそれを言葉にしているところ。さらには大将は4代目が店を継いでくれる嬉しさを、4代目はまだまだ親子で頑張りたいという気持ちを、何気ない会話で話している。いずれもなかなか親子でできる事ではない。

取材を終えて

ここのところ、立て続けに老舗と呼ばれる鮨屋がその歴史に幕を閉じている網走市、そんな中とても居心地の良い鮨屋に出会い一安心。

『江戸前 中鮨』次回は妻と行こうと心に決めているところで、隣に座っていた観光客が大将に一言告げて帰っていった。

「大将に会いに、また網走旅行しないとね」

またひとり、大将のファンが誕生!である。

店舗情報

【江戸前 中鮨】

・住所 : 北海道網走市南2条西2丁目

・電話番号 : 0152-43-3447

猪澤航

猪澤航

北海道網走市

第5期ハツレポーター

北海道網走市出身、高卒から四半世紀近く周辺2市4町を転勤し歩き、お店も信号機も学校も無い集落を経て網走市へ戻ってきました。離れている時はあまり感じなかった地元愛が、戻ってきてみると驚くほど網走が大好きなことを再確認しました。
そんな私が、離れていたからこそ見える魅力や感動を発信していけたらと思います。

1 件のコメント

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です