火祭り「大松明押し」【和歌山県かつらぎ町】

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和歌山県かつらぎ町花園地区の下花園神社で、毎年大晦日に行われる「大松明(おおたいまつ)押し」に家族で参加してきました。

「大松明押し」とは、行く年の厄払いと来る年の無病息災、家内安全、豊作などを祈願する火祭りで、花園地区の若者が、音頭取りの祝い唄の囃子を合図に大松明をかつぎ上げ、境内を3周練り(押し)回します。花園郷土古典芸能保存会(以下「保存会」)が中心となり、毎年大晦日に行われており、県指定無形民俗文化財に指定されています。
 


開始時刻の午後9時少し前に下花園神社の境内に行くと、すでに保存会や消防団、地元の方々が、焚き火を囲むように集まっていました。焚き火の輪に加わると、小学生の女の子がやってきて、数字の書かれた紙を渡してくれました。どうやらくじ引きが行われるようです。

9時を少し回ったころ、抽選会が始まりました。1等から6等まで、それぞれ1本から20本の当たりがあり、お米や日本酒、インスタントラーメンなどがもらえます。私たち家族は、なんと全員当たることができました。
 

抽選会が終わると、いよいよ大松明押しが始まります。今回は、規模を縮小しての開催ということで、残念ながら大松明の練り回しはなく、焚き火から小松明に火を移して行われました。


参加希望者は、保存会の皆さんが用意してくれた小松明を持ち、小松明に添えられていた榊の枝を襟元に差します。そして、小松明を焚き火の中に突っ込み火を移します。小松明に火を移した参加者は、神主を先頭に、2列縦隊に並んですべての小松明に火が移るのを待ちます。

全員の準備が整うと、除夜の鐘の音に合わせて「祝え~祝え~」と言いながら、小松明を左右に振り、あらかじめ決められた場所まで行列で練り歩きました。
 


集合場所まで来ると解散となり、小松明は家に持ち帰ることができます。持ち帰った火は、年初めの火として、神棚などに供えられるということです。

来年は、ぜひ大松明をかついで境内を練り回してみたいです。

溝口善之

溝口善之

和歌山県かつらぎ町

第1期ハツレポーター

和歌山県かつらぎ町生まれかつらぎ町育ちの地方公務員です。かつらぎ町の歴史・文化・人・美味しいもの・絶景など、あふれる魅力を世界に発信していけたらと思っています。よろしくお願いします。