夜も輝く黄金郷!ミャンマーのパゴダ(仏塔)で「8つ」の曜日別の「守護動物」に参拝【フィリピン・ヤンゴン】

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国民の9割が、釈迦が定めた戒律と教えを純粋に守り伝える南方上座部仏教(なんぽうじょうざぶぶっきょう)を信仰しているミャンマー連邦共和国。ここにはパゴダと呼ばれる大小様々な仏塔(仏教の建造物)があります。

黄金に輝くパゴダは、日本の寺院のイメージとは大きくかけ離れており、荘厳さと迫力を感じるため、外国人にも人気の観光スポットとしても有名です。そして見た目だけではなく、ミャンマーの人たちにとってのパゴダは、日本人にとってのお寺や神社とは大きく異なる存在でした。

今回はミャンマー最大都市のヤンゴンにあるシュエダゴン・パゴダへ参拝した時の様子と感想をリポートします。

黄金の仏塔がそびえるシュエダゴン・パゴダ

大量の宝石・ダイヤ!寄付で輝く聖地「シュエダゴン・パゴダ」は、まさに黄金郷!

パゴダとはミャンマー様式の仏塔建築のことを言い、ミャンマーの人たちは「お釈迦様の家」として非常に大切にしています。寺院とは区別され、パゴダにはお釈迦様の骨や髪の毛の一部が納められているといわれています。

立派なパゴダを建てることは人生最大の功徳とされるほか、改修などの際にお金や宝石などを寄付することでも徳を積むことができ、幸福な輪廻転生につながると現地では信じられています。そのため、大規模なものから小規模なものまで、ミャンマーのいたる所で多くのパゴダを見ることができます。

中でもヤンゴンの中心にあるシュエダゴン・パゴダは、中心の高さが100メートルもあり、その周りを60もの仏塔や廟(びょう)が囲んでいて、荘厳なまでの黄金の輝きを放っています。仏塔には寄付された多くの宝石などが飾られているほか、先端には70カラットのダイヤが埋め込まれているそうです。

塔の周囲には数えられないくらい沢山の仏像が置かれており、その周りも鮮やかな装飾で彩られています。また博物館のような建物には仏像や、仏教に関する宝物、歴史的な資料が展示されていました。

ミャンマーの人たちにとっては重要な聖地となっており、外国人からも人気のヤンゴンで一番の観光スポットです。実際目にすると、その派手さに圧倒され、あまりの非現実さに、「テーマパークの中にいるのか?」と思うほどでした。

鮮やかに彩られたストゥーパと祠(ほこら)

曜日は8つ。「八曜」の生まれ日にあった守護動物をチェックして参拝を

パゴダの参拝にはいくつかのルールがあり、外国人観光客もルールを守らなければなりません。その一つが必ず裸足であること。靴下やストッキングを履くこともNGです。日本人からすると少し衛生が気になるところですが、入り口で靴などを預けないと中に入ることができません。また露出の高い服装もNGとされます。短パンやミニスカート、タンクトップやキャミソールなどはタブーとなります。

そして、一番大事なポイントは参拝に行く前に自分の生まれた日の曜日を確認しておくことです。

ミャンマーでは「八曜」という一週間が8日ある暦が大切にされており、「月・火・水(午前)・水(午後)・木・金・土・日」と一週間を8つに分けています。なぜか水曜日だけ午前と午後に分かれているんですね。また、それぞれの曜日には方角、守護動物、支配星が決まっています。パゴダの境内には八曜の各曜日にちなんだ守護動物が、それぞれの方角の祠に祀ってあり、、自分の生まれた曜日の祠に参拝する習慣があります。

、それらが奉られた祠にお祈りを捧げます。

●曜日ごとの守護動物
日曜日:鳥(ガルーダ)

月曜日:虎

火曜日:ライオン

水曜日午前:牙のある象

水曜日午後:牙のない象

木曜日:ネズミ

金曜日:モグラ

土曜日:竜(ナーガ)

シュエダゴン・パゴダでは英語で「Sunday Corner」や「Wednesday morning Corner」など看板が設置され、曜日の方角を示しているのですが、曜日が順番に並んでいるわけではないので少し混乱してしまいました。

祠には仏像と水を蓄えた泉が置かれ、その泉から備え付けのコップで水を汲み、仏像に水を掛け、お花やろうそくを備えます。自分の年の数だけ水をかけるとご利益があるそうですが、そこまで正確である必要はないとミャンマーの方も言っていました。

自分の生まれた曜日の仏像にお水をかける人々

LEDが光るエレクトリカル仏像に文化の違いを感じる

今回は昼間に訪れたのですが、夜になると黄金の仏塔がライトアップされ、さらに幻想的な雰囲気に包まれるそうです。そして小さな祠を見ると、仏像の背後にカラフルなLEDの照明が点滅し、仮面ライダーの変身ベルトのようにクルクルと回る、とても奇妙な光景を見ることができます。これは、仏様の後光を表しており、大真面目にお釈迦様の威厳を表したものなのですが、日本人が見るとバブル期の飲食店の看板や、某テーマパークのエレクトリカルパレードのように見えます。

穏やかな表情の仏像とのギャップに戸惑いますが、歴史文化と現代技術の融合が強引に行われているところに、日本には無い魅力を感じました。

また、驚くことにミャンマーの人にとってパゴダはいわゆるレジャー施設のような存在だと聞きました。休日には家族や恋人と一緒にパゴダに出かけ、参拝や寄付をした後はのんびり時間を過ごしながらおしゃべりをしたり、近くでお弁当を食べたりと、ピクニック感覚で訪れることもあるそうです。日本人がお寺や神社に参拝に行く感覚とは大きく違っていますね。

今回のミャンマー訪問で一番心に残ったのは、ミャンマーの人は仏教の教えを大切に守り、良い来世を迎えるために徳を積むことが、人生における幸せだと感じている方が多いということでした。そんな人生観の違いを知ることも海外旅行で得られる経験かもしれません。

もしもミャンマーに行くことがあれば、パゴダへ参拝に行き、日本とのギャップを楽しんでみて下さい。

熱心にお祈りを捧げるミャンマーの人々

写真は全て2023年10月8日 筆者撮影

兵永和寛

兵永和寛

東京都江東区

編集部記者

IT企業で人事・広報として働く元バンドマン。静岡に生まれ、濃い20代を関西で過ごし、今は東京で暮らしています。カメラを持って街歩きしながら、独自の目線で景色を切り取るのが好きです。現在は記者見習いとして日々勉強中!!

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