「胡瓜は遠慮してや」姑さんの言葉は、神様を思う深い気持ちのあらわれ【兵庫県丹波篠山市】

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「暑いなぁ。もう8月になるんや」と思う頃、「もうすぐ祇園さんやさかい、胡瓜食べるん遠慮してや」と姑に言われたとき 最初は訳がわかりませんでした。

祇園さんというのは、兵庫県丹波篠山市にある波々伯部神社(ほほかべじんじゃ)のお祭りのことです。8月4日、5日(現在は8月第一土日)に行われます。

波々伯部神社は 京都の八坂神社から社領の鎮守神としてお祭りされた大きな神社です。午頭天王(ごずてんのう)ともいわれるスサノオノミコトがお祭りされていて、災難、疫病除の神様として信仰されています。

木瓜紋(もっこうもん)イメージ ※イラストACより

胡瓜の切り口が、祇園さんの神紋である木瓜(ぼけ)に似ていることから、祇園さんのお祭りの期間は胡瓜を遠慮するという風習があったようです。

別に胡瓜を収穫してきても 切って食べても、神様はばちをあてたりはなさらないと思いますが、姑さんの神様を慮(おもんぱか)るその気持ちに「暑い夏、神様のお力をいただいて病気もせんと無事にのりきりたい」という決意のようなものを感じます。

お参りして「蘇民将来之子孫也」と書かれたおひねり(笹守り)をいただいてきて 玄関に吊るします。「よろず厄封じたい」という願いから、藤と鯛を描いたちょっと珍しい魔除けのお札も玄関口にかかげます。

また今年も「胡瓜は遠慮してや」といわれる季節が近づいてきます。

堀毛千賀子さんの投稿

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