地域の厄介者が美味しいお茶に変身! 地域課題が地域産業に生まれ変わる物語とは!? 

地域の厄介者として、毎年100t近く回収され処理されてきた湖の雑草『菱(ひし)』が今、地域の強みとして生まれ変わろうとしています。

福島県の猪苗代湖では、忍者のマキビシの原型とも言われている、『菱の実』がなる水草『菱』が、毎年夏にかけて大量に増殖し、秋頃になると水草の腐敗が進み、湖の水質に悪影響を与えてしまうという課題を抱えています。

そんな地域の厄介者がお茶になり、観光コンテンツとしても活用されるストーリーをご紹介したいと思います。

これまで菱は、菱刈り船の導入やボランティア活動を通じ、回収され処理されてきた背景があります。当然のことながら、船の導入や100t近く回収した水草の処理には、費用も手間も発生してしまいます。

筆者は、幼少期の頃から猪苗代湖で遊んでいた思い出がありますが、昔遊んでいた浜は現在、夏になると水草に浸食されてしまい、遊ぶにはとても適さない状況です。

現在、地方の財政も決して余裕があるわけでもなく、現場で活動を続けて来られている方々の高齢化も進む中、毎年菱は湖面を覆いつくすように増殖を繰り返し、イタチごっこで一向に解決しない状況を知り、筆者は行動を開始しました。

まず初めに、現状を変えるにはどうしたら良いか考えた結果、持続可能な事業として菱を活用していく方法を見出さなければ、遅かれ早かれ近い将来限界が訪れると危機感を感じました。

様々な試行錯誤を繰り返し、活動をスタートして3年目に菱の実を活用したお茶を商品化し、『猪苗代湖産ひし茶いなびし』として『道の駅猪苗代』で販売を開始しました。

販売開始からわずか4カ月で在庫が不足し、次回の製造まで一時販売を停止しております。

※収穫時期の関係上毎年9月に収穫を行い、10月頃に製造を行います。

そして、商品の売り上げの一部は、「きらめく水のふるさと磐梯(ばんだい)」湖美来(みずみらい)基金に寄附され、猪苗代湖及び裏磐梯湖沼(うらばんだいこしょう)流域内の水環境保全活動の助成等に活用されます。

「中学生達のフィールドワークの様子」

最近ではこの活動を通じ、中学生や高校生達の探求学習で講話やフィールドワークの依頼を受けることが多くなってきました。

地域課題も様々な要因が複雑に重なりあって構成されており、真正面からぶつかるだけではどうにもならないことが多くなってきているのが現状です。

子ども達には、そんな地域課題も捉え方次第では、地域の強みに変えることができるという事、そして地域に元々眠っている観光資源(強み)を、どのように掛け合わせていくか、当たり前を常に疑う思考法を身に着け、授業で習ったSDGsを身近な暮らしの中に実感してもらえたら嬉しいです。

「果実部分が抜けて浜に漂着した菱の実」

「10月頃に撮影したの菱の葉」

菱は元々、菱紋として家紋に用いられるなど、その繁殖力の強さから縁起が良いものとして知られていました。また実の奇抜な形から魔除けとしても知られています。

古来より日本には菱をモチーフにしたロゴや名前が、思い返すといくつかあるのではないでしょうか? 是非皆さんも探してみてください!

「浜に漂着した菱」
「菱の実ネックレス制作体験」

魔除けで縁起物の菱の実ネックレスの制作体験もできます。

お茶の商品には、9月頃採取できる緑色をした状態の実を使用しますが、10月以降になると水草の葉っぱの裏についている菱の実が水底に落ち、そこからまた水草が生えます。果実部分がなくなり軽くなって波に運ばれ、最終的に浜に漂着し成分が抜けて黒くなった状態の菱の実をネックレスとして活用します。

実の回収から活用の体験はフィールドワークにも採用され、事前学習の講話後、現場(猪苗代湖)に行き実際に水草の観察や回収、菱の実を採取して利活用を行い、グループワークで地域課題の捉え方について学習を行います。

「9月の菱の実収穫体験の様子」

今年の9月からは本格的に収穫体験を受け入れできるよう、準備を進めていますまいります。

これまではボランティア活動で菱を回収し運んで終わりでしたが、収穫体験では回収して、菱の実の殻剥き体験と実食体験も行い、猪苗代湖の広大な自然の中、大人から子供まで幅広い層に楽しみながら水環境について学んで頂き、活動に係る関係人口の増加も図ります。そして、ご参加者には収穫体験で採取した菱の実で作ったお茶を、販売開始前にいち早くお届けします。

令和4年の7月には『株式会社いなびし』を設立し、よりいっそう水環境保全事業に力を入れていきたいと思います。

現在、いなびし茶の量産と、菱を活用した観光コンテンツ化の取組を持続可能な事業として行えるよう、クラウドファンディングを開始しました。

まずは現在進行中のクラウドファンディング(All or Nothing方式)の目標金額を達成し、作業場の整備と機械の導入、観光コンテンツ化を実行できるよう全力で進めて参りますので、何卒皆様のお力添え宜しくお願い致します。

クラウドファンディングのページはこちらからご覧いただけます。

https://readyfor.jp/projects/inabishi-lakeinawashiro

リターン(返礼品)は約20種類程ご用意しております。上記のURLから、プロジェクト内容や想いの部分も含め、ご覧頂き良かったらご支援ご周知頂けたら嬉しいです。

イベント情報や販売情報は『猪苗代湖産ひし茶いなびし』公式Instagramにて発信して参りますので、是非フォローお願いします。

https://www.instagram.com/inabishi_lake_inawashiro_tea/?hl=ja

長友海夢

福島県猪苗代町/第4期ハツレポーター
福島県猪苗代町在住 
長友 海夢 (ながとも ひろむ)
1995年8月17日生まれ
栃木県出身
日本大学文理学部卒業
地域おこし協力隊(任期3年目)
水環境保全事業や蕎麦屋の運営に挑戦中
趣味はアウトドア全般とアニメ鑑賞

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