「久米島の思い出を自宅でも」島と人をつなぐ、南の島のハンドメイド雑貨店「kafoo nuji」【沖縄県久米島町】

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沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。

楽しかった旅先の思い出。
色あせずに記憶しておくには、どうしたらいいのだろう?

日常に戻ってもなお、久米島の海を、ビーチを、空を、思い出にしてほしい。
手に取った瞬間、素敵な思い出たちがふとよみがえる、そんな作品を作っている女性がいる。「南の島のハンドメイド雑貨店『kafoo nuji(カフー・ヌージ)』」を運営する、前田 実咲(まえだ・みさき)さんだ。

「kafoo nuj」は「南国の癒しをいつもそばに…」をテーマに、久米島の素材を使い、南国を感じられるハンドメイド雑貨を展開している。作品づくりを通じたSDGs・フェアトレードの実現、さらには「人と島、世代をつないでいきたい」と語る、前田さんの思いを聞いた。

(久米島の貝を使ったミサンガ。貝殻は同じ形や柄がないため、世界に一つだけの作品だ)

移住先を探して離島を巡り続けた女性が心寄せた久米島

「実は私、沖縄のヘビーリピーターなんです」

前田さんが久米島に移住を決めたのは、2018年のこと。それまでは運命の移住先を探して、島々をホッピングする旅人だった。しかし、沖縄は離島の数が多く、周遊するだけで時間がかかってしまう。そこで前田さんはなるべく多くの島を渡り歩けるよう、1離島1訪問を決めていた。それにも関わらず、久米島だけ3回も通っていた。これは何かの縁だと感じ、移住を決めた。

(エメラルドグリーンの透明な海が美しい、はての浜)

久米島の何が前田さんの心を動かしたのだろうか。

「正直、久米島の認知度はそこまで高くないと思うんです。ですが、たくさんの素晴らしいものであふれています。沖縄一と言われる美しい海やビーチ、移住者にも優しい島民の温かさ…。移住する前、家に帰ってからも、久米島の美しい景色や体験を思い返して癒されていました。それくらい、久米島は私のなかで強く印象に残った島でした」

旅の思い出を自宅でも。久米島の癒しを一緒に持ち帰れるハンドメイド雑貨

転機は突然やってきた。
移住したある日のこと、前田さんが趣味でハンドメイド雑貨を作っているといううわさを聞きつけた島民から、小学校の卒業記念品を作って欲しいという依頼が入る。話を聞くと、卒業後は島外に進学する生徒も少なくない。思い出に残るようなものを生徒に贈りたいというオーダーだった。

「お話を聞いて、久米島を思い出せるものを作れたらいいなと思いました。なので、地産のものを使いたいなと思って、ビーチで拾った貝殻を活かしたキーホルダーを作ることに決めました」。

(卒業記念品として作成した魚の形のキーホルダー)



これが「kafoo nuji」が生まれる前身になるわけだが、卒業生の親御さんや前田さんのSNSをみた観光客から大好評を得る。どこで購入できるのかという声がたくさん来たのだ。食の特産品に比べ、雑貨や装飾品といった若者向けのお土産が圧倒的に少ないこともあり、あれよあれよとうわさは広まり、ホテルや空港などにもお土産品として並ぶようになっていった。

「kafoo nuji」はどの商品にも久米島のエッセンスが入っており、デザインや色合いは前田さんが見た久米島の美しい海、浜辺、空、虹からインスピレーションを得ていたり、素材には海洋深層水や地元農園のハーブや花を活かしている。

「作品と一緒に、久米島の思い出も一緒に持って帰ってもらいたいなと思っています。日常に戻った時に、久米島の出来事や美しい風景に癒されて学校や会社を頑張る力がわいたり、また訪れたいと思ってもらえるきっかけになったら」

そういった地産のものを使った商品は人の心を動かしているようだ。

「kafoo nuji」のInstagramは、作品と久米島の風景が交互に投稿されている。見ているだけで追体験が出来そうだ。

(奥武島やオーハ島、はての浜も見渡せる、久米島の絶景スポット)

とある購入者は、前田さんのSNSやハンドメイド雑貨をきっかけに久米島を知り、訪問してくれたという。SNSで紹介しているおすすめスポットを周遊し、大満足だったという。まさに人と島がつながったと感じる瞬間だった。

「美しい海を守りたい」SDGsや循環型社会を意識したエコフレンドリーな作品づくり

前田さんが「kafoo nuji」を通じて届けたいメッセージが、もう一つある。

久米島は「球美(くみ)の島」と言われるほど美しいビーチが存在するが、前田さんは浜辺に足を運ぶたび、プラスチックゴミが落ちているのを見つけ、苦しい気持ちになっていたという。この美しい海を守り続けたいという思いから、「kafoo nuji」で作る商品は全て環境に良い素材にこだわっている。

(地球にも人にも優しいコットン100%のミサンガ。日本科学未来館で行われた「サンゴの好きを探し出せ!」のご来場記念品として制作された)

例えば、フェアトレードのオーガニックコットンや環境に配慮した天然素材、海に流しても問題ない無添加石鹸、天然染料で染めたマクラメの糸、サトウキビの搾りカスから作ったエコ用紙を使ったショップカードなど、随所でこだわりが感じられる。

売り上げの一部は寄付に充てており、SDGsや循環型社会を目指したものづくりとなっている。

思い出を「つくる」—タビナカ体験への挑戦

チャレンジしたいことについて聞くと、作品と一緒に思い出を持ち帰ってもらうだけではなく、これからは思い出を「つくる」ところから、人と島をつないでいくこともやっていきたいとのこと。

(久米島の貝殻がポイントになっているマクラメのバック)

観光客の多くはマリンアクティビティ目的で島を訪れるが、雨で中止になってしまうと、途端に旅行の満足度が下がってしまう。久米島にはタビナカを体験できる施設や場所が少ないためだ。そこで、天候に関わらず、久米島を最高の思い出にしてほしいというおもいから、久米島の素材や食を活かした、クラフト体験やカフェを展開していこうと動いている。

「久米島って本当にいいところなんです!ぜひたくさんの方に来ていただきたいです」

そう笑顔で語る前田さんの今後の活動がさらに楽しみだ。

南の島のハンドメイド雑貨店「kafoo nuji」


・インスタグラム:https://www.instagram.com/kafoo_nuji_kumejima/
・Facebook:https://www.facebook.com/kafoonuji
・Yahoo!ショッピング:https://store.shopping.yahoo.co.jp/okinawa-ritoumarche/c6eea4cec5.html

グミ

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東京都

編集部記者

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