地域ぐるみで共創する「ウェルネス」で、名古屋のローカルと世界をつなぐ未来を【愛知県名古屋市】

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名古屋の魅力を再構築・発信する「Wellnestyle NAGOYA」の具体的戦略

この企画は、ローカリティ!編集部と、Wellnestyle NAGOYA様とのコラボ企画です。

「Wellnestyle NAGOYA(ウェルネスタイルなごや)」HPより

愛知県名古屋市は、昨年度から「Wellnestyle NAGOYA」という取り組みで、日本初の都市型ウェルネスツーリズムによる観光推進を行っている。前回こちらの記事にて取り上げたように、「大都市」であり「独自の歴史と文化」というユニークさを持つ名古屋が、その魅力を地域の住民や事業者とともに再解釈して発信し、個々人のウェルネスにつながるコンテンツを整えていくことで、名古屋に思いを持つ交流人口をさらに増やそうとする試みだ。

今回は、「Wellnestyle NAGOYA」が誰とどのように、どんな未来を描いてこの取り組みを進めているのか、その具体的な座組やビジョンに迫った。

「独特の文化を持つ名古屋。だが、今のままで本当にいいのか?」

名古屋観光コンベンションビューロー提供

これは、名古屋市がこの「Wellnestyle NAGOYA」に取り組むきっかけとなった課題意識である。

「そもそも、名古屋に来る観光客にとって、この街の魅力とは何なのか。これまでのもので本当に伝わっているのか、観光都市としての価値は何か。観光以外で名古屋に来る方々はどんな印象を持っているのか。こういったところが整理できていませんでした」と語るのは、公益財団法人名古屋観光コンベンションビューロー おもてなし部長の木野有恒(きの・ありつね)氏。

名古屋市には独特で良質なコンテンツがたくさんあるにもかかわらず、名古屋市民の多くがその素晴らしさについて自信を持っておらず、語ることは少ない。また、たくさんのコンテンツも、そのままの見せ方では、興味関心のある人々に届きにくいのではないか。

こういった危機感から、名古屋市は、自らが持つ魅力を世界のニーズから再認識・再構成することと、シビックプライドの醸成が必要だと感じながら、「Wellnestyle NAGOYA」の取り組みに踏み切った。

世界に打って出るためのカギとなるパートナーは、地元事業者

「Wellnestyle NAGOYA(ウェルネスタイルなごや)」HPより

そういった背景から立ち上がっているからこそ、名古屋市は、この取り組みを進めるためのパートナーとして、地元事業者が最も重要だと考えている。運営事務局を務める株式会社アド近鉄の平田貴之(ひらた・たかゆき)氏は、「Wellnestyle NAGOYA」の思想をトップダウンで地域に押し付けるのではなく、地域ぐるみで名古屋市をウェルネスという観点から捉え直すことで、「ボトムアップ式に名古屋をそのような街にしたい」と考えているそうだ。

「Wellnestyle NAGOYA」では昨年度から、この取り組みが思い描く未来に共感する名古屋の事業者を募り、「フレンズ」というコミュニティを作っている。加盟している事業者の業種・業態は多岐にわたり、その数は95事業者(2023年8月28日現在)にのぼる。

「名古屋市がこの取り組みを始めた理由や、世界的なトレンドであるウェルネスに興味のある事業者さんたちが集まっています」と、名古屋観光コンベンションビューロー おもてなしグループ長の黒田さち子(くろだ・さちこ)氏は言う。コンベンションビューローには約550の賛助会員が集まるが、会員もそうではない事業者も参画しているとのことだ。この取り組みが、単なる観光という枠組みを超えて、幅広い業界の興味を引いているのだろう。

「Wellnestyle NAGOYA」ブランドの強化と「フレンズ」同士の交流が生み出す進化と深化

2023年3月26日に開催された「Wellnestyle NAGOYA petit Urban Festa」の様子

「Wellnestyle NAGOYA」はこの「フレンズ」たちと、すでに様々な取り組みを行ってきている。

昨年度は、まだまだローカル事業者にとって馴染みの薄い「ウェルネス」というものについて、相互に理解を深めるために、セミナーを開催した。講師を招いて「ウェルネス」の考え方について学んだり、その思想を事業に取り込むための事例を参照したりする中で、「自分の事業ならこれがウェルネスにつながるのではないか」という知見を「フレンズ」たちが持ち始めた。それを少しずつ事業スタイルとして具現化した一部の「フレンズ」たちとは、2023年3月に、「Wellnestyle NAGOYA petit Urban Festa(ウェルネスタイルなごや プチ アーバンフェスタ)」と題して、それぞれの取り組みやサービスをお披露目するイベントも開催。一般にも公開する形のフェスタにすることで、「フレンズ」同士のみの交流ではなく、道行く人々にも「Wellnestyle NAGOYA」の取り組みに触れてもらえるようにすることで、その存在をPRした。

「Wellnestyle NAGOYA」認証のしるしとして使われるブランドロゴ

「フレンズの方々や他のイベントなどと協力しながら、もっとこの取り組みを名古屋市内外に浸透させていきたい。事業者さんたちと一緒に作り上げていきたい」と、木野氏は話す。具体的には、「Wellnestyle NAGOYA」の設ける独自の水準を満たしたサービスや商品に対して認証制度を導入し、「フレンズ」たちが自発的に「Wellnestyle NAGOYA」を提唱・PRできる枠組みを始める予定だ。また、名古屋市で毎年開催される大型スポーツイベントとも協力し、多くの方に名古屋のウェルネスの切り口を見せる機会も考えている。もちろん、これまで開催してきたセミナーやイベント、交流会も継続するという。

活動を通して「フレンズ」とのコミュニケーションを図り、一丸となって「Wellnestyle NAGOYA」を推進していこうとしている。

名古屋らしい「ウェルネス」を地域内外の人に体感してもらい、多くの人の「サードプレイス」に

2023年3月26日に開催された「Wellnestyle NAGOYA petit Urban Festa」の様子

平田氏は、「観光の本当の目的は、人と人、人と地域とのつながりをどれだけ作れるか、かなと。ひとつひとつの取り組みやコンテンツは、そのつながりを作るためのきっかけです。ウェルネスというトレンディな切り口と、名古屋が持つ唯一無二のコンテンツをきっかけに、どれだけ交流人口を作れるかが重要ですね」と語る。名古屋市がウェルネスツーリズムに込めた期待が色濃く滲んでいる。

また、「伝統やホンモノの魅力を体験して名古屋を好きになってもらうこと。それが名古屋の提案するウェルネスです」と語るのは木野氏。高付加価値化・量より質の時代において、すでに市内で活躍している事業者の「ホンモノ」の価値を、ウェルネスという切り口で内外にPRし、その価値に触れた人々の共感を得ることで、名古屋が多くの人々にとっての「サードプレイス(家庭でも職場でもない、コミュニケーションが生まれる公共の場)」になれるような方法を模索している。

「Wellnestyle NAGOYA」は、その思想と未来に共感する「フレンズ」と、提供される商品やサービスを利用する人々を巻き込むことで、「名古屋に来れば、名古屋にいれば、自分のウェルネスが叶う」という、関係者すべてが身も心も潤うような未来を作ろうとしている。

ローカリティ!編集部

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