「NORIPIZZA」が目指す、家族が繋がる食卓の場【鹿児島県南大隅町】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

「生きるための食事ではなく、家族団欒となる食事の場を提供したいんです」

そう語るのは、鹿児島県南大隅町に本店を構える「NORIPIZZA(ノリピッツァ)」オーナーの湯前 慎貴(ゆまえ・のりき)さん。本格的な石窯焼きピッツァが味わえると巷の人気店です。

母親の些細な一言が運命を変えた、ピッツァとの出会い

湯前さんと石窯焼きピッツァの出会いは突然でした。

ある日、テレビでピザ窯の映像をみた母親から「暇だったら、ピザ窯作ってみたら?」と言われ、全くの素人ながら動画サイトを参考にピザ窯を作ってみたことから全てが始まりました。試行錯誤して出来たピッツァが思いがけず好評だったため、もっとみんなに喜んでもらいたいと思い、ピッツァ作りを極めていったといいます。

まずは、市販の粉ではなく3種類の粉を独自の配合でブレンドし、気候や気温によって提供する味が変わらないよう、生地の水分量や発酵時間などを研究しました。焼き方も、気候や薪の状態による温度変化で味が変わってしまうため、一定のクオリティを出せるように木質ペレット燃料を導入し、安定した温度で焼けるようにしました。これは鹿児島県で初めての取り組みだそうです。生地は酵母によって生きているので、毎回同じ焼き上がりにもっていくのは一筋縄ではいきませんが、それもまたピッツァの面白いところ。現在でも「美味しい」の一言のために、日々こだわりを更新し続けています。

その結果、味に惚れ込んだリピーターは数知れず、現在は南大隅本店と鹿屋寿(かやことぶき)店の2店舗展開の他、冷凍ピッツァの販売にも着手しました。

最近では、プレゼントに冷凍ピッツァを利用してくださるお客様も増え、プレゼントされた人が購入しに来店することもあるのだそうです。

食を通じて人が繋がれる場を作りたい

コツコツと着実に滑り出したと思われたピッツァづくりでしたが、世界的なパンデミックが飲食店に与える影響は大きく、「NORIPIZZA」も例外ではなかったといいます。売り上げを意識すればするほど、お客様がお金に見えてきてしまう。お金を稼ぐための仕事をしようとする自分が自分じゃないみたいで、どうしようもなく苦しいと感じたこともありました。

そんな中、来客した子供連れの家族が自分の作ったピッツァを笑顔で食べている姿を見て、「僕が本当にしたかったことは、これだ!」と目の前が開けたそうです。

湯前さんは幼い頃に家族にカレーを作ってふるまったことがありました。その際、普段は厳格で亭主関白な父親から「美味しいな」と言われたことがとても嬉しくて、料理への関心が湧きました。決して裕福な家庭ではありませんでしたが、家族が集まる食卓が良い思い出となっていた経験から、今度は自分が「NORIPIZZA」を通じて、たくさんの家族が繋がれる食卓を提供していきたいという気持ちで日々向き合っています。

本場にも負けない、NORIPIZZAだからこそのピッツァ体験を

ピッツァの魅力を聞くと、湯前さんは「終わりがないことだ」と教えてくれました。

「生地に何の具材を乗せてもピッツァになるのが面白いですよね。色んなものを乗せられる分、色んな人を楽しませることができるのがピッツァの良さだなと思います」

NORIPIZZAでは20種類以上のピッツァメニューと、ミニサイズのピッツァを提供しています。一般的にピッツァをミニサイズで作るのは効率が悪いとされていますが、子供もきっと色んな味のピッツァを楽しみたいだろうなと思い、サイズのバリエーションを増やしたそうです。家族でシェアする楽しさを感じてもらいたいと思う湯前さんの気持ちが、お店のメニューにも現れています。

「石窯のピッツァって格式高いイメージがあって、子供連れだと中々入りづらいと思うんです。僕は家族連れのお客様にも喜んでもらいたいと思っているから、家族連れでも楽しめる場所を作りたいと思っています。素人であることは僕にとってメリットの方が多かったかもしれません。お客さんの気持ちを誰よりも一生懸命に考えられるのも、元々素人だったから。これからも本場にも負けない、NORIPIZZAならではのピッツァを届けていきたいです!」

笑顔で語る湯前さんの挑戦に、今後も目が離せません。

(吉田めぐみさん)

グミ

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東京都

編集部記者

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