防災は日頃の絆が命をつなぐ!防災フォーラム2026IN多賀城突撃取材レポート!【宮城県多賀城市】

4 min 48 views
多賀城の地域盛り上げ隊・タガレンジャー(左から2人目)としほママこと柳原志保(やなぎはらしほ)さん(右から2人目)

2026年6月14日、多賀城ではこの季節ならではの「あやめ祭り」で盛り上がる中、多賀城市市民活動サポートセンター(愛称・たがさぽ)にて「防災フォーラム2026IN多賀城」が開催された。

6月は梅雨入りの影響があり、大雨による被害に対する警戒が特に重要となる。しかし、近年では大雨に限らず多くの災害が頻発する時代へと突入した。さらに少子高齢化や人口減少が懸念されている。そんな不安な世の中をどう生きるかが我々には試されている。

そこで、筆者は今回のフォーラムに参加することにした。まずは、多賀城の地域盛り上げ隊・タガレンジャーがお出迎え。当日は県内外からの多くの来場者でにぎわった。

開会前の様子 ほぼ正面が実行委員長の千葉久美子(ちばくみこ)さん

開催に至るまでの経緯

多賀城市も仙台市と同じく東日本大震災で大きな被害を受けた。今回は、「一般社団法人 三陸&東海防災フォーラム伝(でん)」が主体となり、「より多くの人に知ってもらい、後世に伝えてほしいために無料で開催したい」という思いからクラウドファンディングを通じて開催に至った。

「伝」は防災教育を推進することを目的として近い将来巨大地震の発生が懸念される東海地方の教員や大学院生、仙台市の当時の教員(実行委員長の千葉久美子さん)たちが2017年に立ち上げた団体だ。これまで、フォーラムなどを通じて防災の重要性を伝え、現在に至る。

柳原さんによる講演の様子

歌う防災士として活躍中のしほママこと柳原さん

「ただ話すだけでは聞き手は飽きるから、歌で盛り上げよう!」

その思いから歌で防災を伝える工夫をした。柳原さんは、東日本大震災当時、多賀城に住むシングルマザーで2人の息子(現在はともに独立)を育てていた。そんななか、親族がいる2012年に熊本県玉名郡和水(なごみ)町に移り住み2年後に防災士の資格を取得した。また、次男も13歳で防災士の資格を取得。現在は、全国での講演活動も行っている。

柳原さんは、2016年の熊本地震、2020年の豪雨なども経験し、3度の被災を経て現在に至る。

被災経験から、柳原さん自身も見えてきた課題がたくさん出てきた。東日本大震災当時、何も持たずに避難したことがきっかけだった。それは、排泄(トイレ)、食事(キッチン)、就寝(ベッド)だ。我々人間が生きていく上で不可欠だ。

特に、災害で水道が停止すれば非常用トイレの設置は不可欠。しかも、設置数は限られている。そこで「携帯用トイレ」の準備が必要になる。「携帯用トイレ」の使い方を学ぶワークショップも行われた。

他にも防災グッズの取り扱いについてもお話があり、カセットコンロ(10年)やボンベ(7年)の使用期限についても説明があった。そして、防災意識を高める歌で日頃の備えをしておく目的として、歌で会場は大いに盛り上がった。

柳原さんは、2026年4月には自宅を開放して「あんしんハウス」を設置して交流を深めながら、地域の方々に対するあいさつも怠らずに行っている。やはり、絆があるからこそ命はつながっていると筆者は感じた。家族関係も大事にしたいものだ。

柳原さんが歌うリズムに合わせて会場は大盛り上がり
「携帯用トイレ」のワークショップで使用された
防災グッズの販売も行われた
多賀城市におけるハザードマップのチラシも配置されていた
「特製 サバイバル飯」の弁当販売もあった

非常時でも火を使わずに食べられる弁当を提案!

今回販売された弁当は、非常時でも役立つ弁当づくりでお腹を満たすということだ。弁当づくりに関わった「レトルト工房ぐ~!(多賀城市)」代表の萱場沙織(かやばさおり)さんは、「ガスが止まった災害時でも火を使わずにつくれる弁当を考案した」と話した。サバ缶など含めて、あるものを有効活用してつくれるように工夫するというものだ。ただ、今回は火を通してつくった弁当をいただいた。

筆者自身、「災害時でもこんなにおいしくいただける弁当ができるものだ」と生まれて初めて感じた。工夫次第で災害を乗り切れることにも、改めて気づかされた。

和田仁(わだひとし)さん(左側)によるこころの防災の講演の様子

がん専門医による心の備え

そして、午後、再び講演が始まった。キャンサー コンパスクリニック(仙台市青葉区)院長の和田仁さんの講演だ。なぜ、がん専門医が「心の防災」について話をしたかというと、がん治療においても、しなやかな心で生き抜く必要があるということだ。心の備えをすることで災害対応の在り方の明暗を分けるものではないかと筆者は感じた。

がん治療においては、命はもとより、体もそうであり、特に、がん治療に限らず心の健康は不可欠だ。人間は、「笑うからこそ幸福になれる」と和田さんは話した。健康はもとより、心の持ち方次第で幸福度は変わるものだということを筆者は学んだ。

災害はいつ起きるか誰もわからない、和田さんが話していた「日常はある日突然奪われる」ということは確かにあてはまる。いざという時、我々の健康状態はどうなっているのか。その時の状況に応じて対処していかなければならない。「もしもの時の心の備え」の重要性を改めて感じた。

和田さんの講演後のパネルディスカッションの様子

改めて防災について考えた

パネルディスカッションと文部科学省選定の防災映画「国難TSUNAMI」を見た筆者は、今まで気がつかなかったことに気づかされる話や場面をみていろいろと考えさせられた。心の復興や、自ら立ち上がる力など、災害を含めどんな困難にも負けないしなやかな心で生き抜くことの重要性に改めて気づいた。

もし、今回のフォーラムに参加した人でなければ気がつかないことが多かったのではないかと筆者自身は思う。

最後には自衛隊の方も来てあいさつもされた

最後に、災害関連死の申請をしなかったり、申請が通らないケースもあったと柳原さんは話した。災害時の劣悪な衛生環境は健康を損なう二次被害を招き、それが災害関連死という悲劇につながるケースも少なくない。 災害時においても衛生面の整備は重要だということに気づいた。

また、「避難すべき場所は避難所だけではない」「在宅避難も1つの選択肢に入れる」など避難所に限らず、避難する場所を確保する必要性を今回のフォーラムで学んだ。筆者自身も東日本大震災を経験しており、発生当日は避難所へ避難したものの「避難所だけが避難所ではない」ということに改めて気づかされた。

心の備えとケア次第で災害は乗り切れる。災害は時間や場所を選ばない。それを頭に入れて今後の防災に役立てていきたい。

※画像はすべて筆者撮影

参照資料:「国難TSUNAMI」防災映画予告編(YouTube・津波の映像もありますので、強いストレスを感じた人は視聴を控えるといいかもしれません)

柳原志保さん(しほママ)ホームページ「しほの部屋」

https://soboku.org/bousai/index.html

一般社団法人 三陸&東海防災フォーラム伝

https://www.bosai-den.com
渡邉貴裕

渡邉貴裕

宮城県生まれ。現在も宮城県仙台市に住んでいる根っからの宮城県民です。趣味は旅行と読書ですが、最近では仙台の街が好きでまち歩きも楽しんでいます。主に仙台を中心とした魅力を発信します。時には市外となる場合もありますので、何卒よろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です