「昔は治安が悪くて通りたくない公園でした」横浜の大通り公園を”憩いの場”へ進化させる地域の取り組み【神奈川県横浜市】

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清掃ボランティアで集めたゴミ袋。1時間で15袋ものゴミが集まる。

横浜市中区に位置する大通り公園。都会の中心で緑や水の音に耳を傾けることができるこの場所は、一時期、治安の悪さで「通りたくない公園」とイメージを持たれることもありました。しかし、そのイメージは過去のものとなりつつあります。「大通り公園クリーンアップ」を通じて、イメージアップを図る市民の活動に迫りました。


全長1.2km、ゆっくり歩けば20分以上かかる長い公園。市民の憩いの場となるも、課題も。

横浜の大通り公園は、関内(かんない)駅から徒歩5分。吉田川の埋め立て地に広がる公園で、長さ1.2kmにわたり石の広場や水の広場、遊具広場を備えています。途中には横断する道路や商店街、伊勢佐木長者町(いせざきちょうじゃまち)駅などが交差しています。関内駅から、反対方向に歩いていくと、公園の終点には、市営地下鉄阪東橋駅が見えてきます。駅にすると二駅、運動不足解消のために大通り公園を歩く人もいるそうで、市民に広く親しまれているスポットとなっています。

公園内には伊勢崎長者町駅の入口も。大通り公園は、関内駅、伊勢崎長者町駅、阪東橋駅の3つの駅に隣接する。

その一方で、地理的・歴史的な事情から暗い雰囲気や治安の悪さを感じる場所も存在しており、インターネット上では「昔は治安が悪くて通りたくない公園でした」との声も見られます。


そんな中、大通り公園のポテンシャルを再評価し、公園の環境改善を目指す活動が始まりました。その先頭に立っているのが、「大通り公園水の広場愛護会」です。

清掃活動を通じて、街のことを自分事に。


「大通り公園水の広場愛護会」は、2011年に結成された団体です。2021年10月からは、「大通り公園クリーンアップ」と題して、毎月第一日曜日に大通り公園の清掃活動を行っています。2023年8月6日には第22回目の活動が開催され、20代から70代までの幅広い年齢層の22名が参加。15袋ものゴミを収集する活動を実施しました。暑さが本格化する前の朝の時間でしたが、既に気温は30℃を超えており、水分や塩分を取りながら、熱中症対策を充分に行っての活動となりました。

子どもと一緒にゴミ拾いをする参加者。ベビーカーにゴミ袋を固定すれば子連れでもゴミ拾いが捗る。

参加者からは「今日は空き缶が多かったな。皆、外で(アルコールやソフトドリンクを)飲むからかな」との声が聞かれました。2023年1月から、家族で定期的に参加している畠山美保さん(32)は「たばこのゴミが植え込みに大量に捨てられていて、フィルターが土色と似ていて見落としがちだった。植え込みにタバコを捨てるのは火事のリスクもあるので危ない」と話していました。

植え込みに捨てられたタバコ。フィルターが土色のため、見落としやすい。

大通り公園水の広場愛護会の取り組みを通じて、かつては治安の問題で敬遠されることもあった公園が、地域の人々の憩いの場としての役割を再び果たせるようになりつつあります。ボランティア活動の後は、街づくりに興味関心のある参加者達が情報を交換をすることもあります。

清掃ボランティアを通じて、「街の見方が変わった。横浜という街のことを自分事として考えるようになった」という声も聞かれます。清掃ボランティアは街との関わりを見直す良いきっかけになりそうです。

※写真はすべて2023年8月6日、筆者撮影


「大通り公園クリーンアップ」へのお問い合わせはこちら


大通り公園水の広場愛護会

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畠山智行

畠山智行

神奈川県横浜市

副編集長

ローカリティ!エヴァンジェリスト
ふるさと:
宮城県仙台市(出身地) 
秋田県湯沢市(自分で選んで移住した土地その1) 
神奈川県横浜市(自分で選んで移住した土地その2)

何気ない日常がどんなに尊く、感動に満ちているか、そのことに読者の皆さんが気付けるメディアに成長させていきたいと思います!

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