これは何に使うもの? 雪国に古くから伝わる便利な道具【秋田県大仙市】

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これは何に使うものでしょう?

これは「踏俵(ふみだわら)」という道具だ。何に使うかというと、深く降り積もった新雪の上をそのまま歩くと足が雪に埋まって歩けなくなってしまうので、人が歩く前に雪を踏み固めて道を作るのに使う。

踏俵は2つで1セット。高さが50センチほどあるので、大人でも膝まですっぽり覆われてしまう大きさだ。その踏俵に片足ずつ入れ、中で縄が輪っかになってる部分につま先を入れる。そして、そこから伸びる縄を手で持って歩くだけ。

写真の踏俵、実は我が家の所蔵品。以前使っていたものが壊れて、10年ほど前に新しく作ってもらったものだ。昔はよく見かけたけれど、今では他でめったに見ることはない。冬場は玄関に置いておく。訪ねてきた近所の方に「珍しいものあるな〜。今だば誰も作る人いねぇものなぁ(今はもう誰も作る人がいない)」と必ず言われる。

踏俵の好きなところは、踏み跡がかわいく、美しいこと。それに、写真を撮った時に「映(ば)える」こと。あとは、スノーダンプなどと比べれば、体力を無駄に使わないこと。

(写真)踏俵で作った道と使用した踏俵

美しい踏俵の踏み跡踏俵の編み目や結び目の精巧さに感動し、先人の知恵に想いをはせる。

「マジ、リスペクト!」

次に壊れた時はもう、作れる人はいないだろうか。いて欲しいな。そうしたらまた作ってもらうんだ。

天野崇子

天野崇子

秋田県大仙市

編集部編集記者

第1期ハツレポーター/1968年秋田県生まれ。東京の人と東京で結婚したけれど、秋田が恋しくて夫に泣いて頼んで一緒に秋田に戻って祖父祖母の暮らす家に入って30余年。

ローカリティ!編集部のメンバーとして、みなさんの心のなかのきらりと光る原石をみつけて掘り出し、文章にしていくお手伝いをしています。

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